
終活という言葉を聞いたことがあるでしょうか。終活は、自身がよい人生の締めくくりを迎えるため、生前のうちに計画することです。就職活動の略語の就活(シュウカツ)をもじった言葉です。では、具体的に終活にはどんなメリットがあり、どのように行えばよいのでしょうか。そんな終活に対する疑問をひとつずつ解決していきましょう。
終活を行うメリット・デメリット
人にはいずれ死が訪れます。
そのことを考えると、怖くなったり悲観的になったりしがちですが、これからどんな選択をすればより充実した人生になるかを考えるのはとても素敵なことです。終活を行ううえでの最大のメリットは、このように残りの人生をいかに充実して過ごせるかの目標が立てられることです。
ただ漫然と同じような日々を過ごしていると、いつの間にか時が経ってしまいます。それよりも、生きている間にどんなことをしたいか考えながら過ごす方が楽しい毎日を過ごせるでしょう。また、終活を行うことにより、自身が死んでしまったあとの家族の負担を最小限に減らすことができます。
身内が亡くなったとき、家族や親戚は意外なことに遺産などでもめることがよくあります。そういったトラブルも、きちんと遺言書を書いておくことで防ぐことができます。一方でデメリットもあります。死ぬことについてたくさん考えることで、不安な気持ちや心配が大きくなることがあります。
ひとりで考えるのがつらいときは、市町村役場や葬儀社などに相談することも検討しましょう。昨今は、生前整理といって、荷物の整理などを行う業者も数多くあります。しかし、中には金品を盗むような詐欺や、高額な葬儀プランを案内する詐欺なども存在します。
そのようなトラブルに巻き込まれないよう、信頼できる家族や会社に相談しながら終活を進めましょう。
終活を始める時期の目安
終活を始めるのは、いつでも構いません。
決して、年を重ねてから行わなければいけないといったような決まりはないのです。できれば、しっかりと未来について考えられる元気なときに行うのが理想的です。
結婚したときや子どもができた(生まれた)とき、定年退職したときや病気になってしまったときなど、人生を大きな節目を迎えたときに終活について考えだす方が多いようです。
終活においてやるべきこと
では、実際に終活ではどんなことを行うとよいのでしょうか。
ひとつは、身辺整理です。家にはたくさんの物がありますが、中には不用品も混じっているでしょう。自分が死んでしまったあと、家族が遺品整理を行うとなると非常に大変です。必要なものと不要なものを区別して、不要なものは溜め込まないようにするとよいでしょう。
財産についてまとめておくこともたいせつです。自分が死んでしまったあと、銀行口座はお金を引き出せないように凍結されてしまうことがあります。自身の葬儀費用を自身の預金から出してほしい場合は、家族がわかるよう事前に準備しておく必要があります。
現金以外の財産には、土地や家などの不動産、株、保険、車、借金などもあります。
また、終活では多くの人が葬儀についても考えています。どのような葬儀を行ってほしいか、誰を呼んでほしいか、費用はどこから出すかなどです。葬儀については、互助会に入ることで費用を積み立てたり、理想の葬儀を相談したりすることができます。
元気なうちに遺影写真を用意するのもよいでしょう。合わせて、お墓や仏壇についても考えておきましょう。このように終活を進めるにあたって便利なのがエンディングノートです。エンディングノートは、葬儀会社や市区町村役場で無料でもらえるところもあります。
遺言書と違って法的な効力はもちませんが、今挙げたような内容を書くための欄が設けられているので、何を書けばよいかがわかりやすい作りになっています。書くタイミングによって自分の考えが変わる場合もあるため、定期的に内容を見返して適宜修正するとよいでしょう。
財産の相続などにあたっては、法的な効力のある遺言書を書くことが必要です。法的効力を持たせるためには、決められたルールに沿って書かなければならないため、注意が必要です。
最後に、やりたいことリストを作ることもとてもよいことです。行ってみたい場所やチャレンジしてみたいこと、食べてみたいものなど、残りの日々をより素敵なものにするためにぜひ書いてみてください。
まとめ
終活は、決してネガティブなものではありません。生きているうちに終活を行うことで、より充実した人生を送ることができるでしょう。死について考えることで不安な場合は、信頼する人に相談するのもひとつの手であり、さらに相談に乗ってくれる窓口を活用することもできます。考えることはたくさんありますが、エンディングノートの項目をひとつずつ埋めていくことで書くときも見直すときもわかりやすくなります。自分が死んでしまったあとの家族の負担を減らすことができるメリットもあるため、ぜひエンディングノートなども活用しながらよい終活を行ってください。