
故人とのお別れの儀式である葬式では、できれば費用のことでもめたりせず、気持ちよくお別れをしたいものです。しかし、料金がわかりづらかったり、提示された料金に追加料金が発生したりと、想定外の出費になることもあります。この記事では、どんな項目に対して追加料金が発生しやすいか解説します。
追加料金が発生することが多い項目
葬儀のプランは様々です。
お通夜も告別式も執り行うもの、お通夜はおこなわないもの、お通夜も告別式もおこなわない火葬式など、昨今ではその形態も多様化しています。また、参列者の人数や範囲もお葬式ごとに決めることも可能です。
葬儀社で用意されているプランには、グレードによりお迎えから安置、役所や火葬の手続き代行、納棺式、遺影、儀式などの一部が入っていないものもあります。当然、プランに含まれていないサービスを受けるとなると追加料金が発生します。
互助会などで費用を積み立てている場合、契約時にプランや金額を選択している場合が多いです。しかし、契約から長い期間が空いていて、当初の計画よりもサービスを追加した方がよいと判断するケースもあるでしょう。
葬儀に使用する式場の規模や備品をグレードアップさせる場合、別途費用が追加となります。とくに祭壇や棺、霊柩車のグレードは、プラン内だと寂しい感じがする場合も多いです。「最後のお別れだから豪華にしたい」という希望や、見映えの観点から変更を希望することも多くあります。
祭壇に飾る花を増やしたり、種類を変更したりする場合、料金が変更になるかもしれません。また、位牌ひとつを取っても、デザインやグレードはたくさんあります。位牌や骨壺は、お別れの後にも家族の手元に残り続けるため、種類と値段をよく考える必要があります。
遺族が、お別れのときに故人にきれいな姿でいてほしいという気持ちでおこなう遺体のメイクや湯かん(お湯による遺体の清め)、エンバーミング(遺体の防腐処理)も追加料金となる葬儀社が多くなっています。納棺の際に、スーツなどの平服故人に着せ替える場合なども同様です。
葬儀には僧侶を呼び、読経や戒名付けをお願いするのが一般的ですが、このときに支払うお布施は寺院によって金額が様々です。依頼する菩提寺でさえ明確な料金を提示されない場合も多いため、葬儀社に僧侶の手配を依頼する場合は、よりしっかりと料金を確認する必要があります。
とくに戒名にかかる金額はグレードによっても大きな差があるため、家族・親戚間で十分に話し合っておくべきでしょう。お通夜では「通夜振る舞い」と呼ばれる食事を参列者や僧侶に振る舞うことがあります。
地域によって形態は異なりますが、香典返し(返礼品)を用意するという習慣もあります。通夜振る舞いや香典返しは、基本的には葬儀社のプランには含まれていません。同じく、火葬費用もプランに含まれていないことがあります。
仮に火葬費用がプランに含まれていても、火葬が終わるまで待つための休憩室を使うには別途予約や料金が必要となることもあります。地域によっては、火葬費用が市民なら無料といったケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
想定外の事態によって追加料金が発生する場合がある
遺体がある場所までのお迎えと安置場所までの搬送距離の制限がある場合、その制限を超えて搬送するには追加の料金が発生します。
また、搬送用の寝台車や、参列者が火葬場へ移動するためのマイクロバスなどのグレードをアップさせる場合に追加料金が発生するパターンもあります。遺体の安置は、自宅でおこなう場合や、葬儀会社に依頼する場合があります。
自宅安置の場合、葬儀社が用意したドライアイスを使用します。人が亡くなりやすい寒い時期などは、火葬場の予約がなかなか取れないことも多いです。仏滅には火葬場が開いていない地域もあり、そのことにより安置の日数が想定より延びてしまう場合があります。
そうなると、追加のドライアイスが必要になる場合や、暑い時期はエアコンを最低温度でかけ続ける必要があることも多いです。こういった場合には、追加の費用が発生します。式場安置の日数がセットプランに含まれている日数を超えた場合にも追加料金がかかってしまいます。
通夜や葬儀には、想定外の弔問客が参列する場合も多々あります。身内だけで執り行う予定だったとしても、訃報を聞いた故人の友人や近隣の方が駆けつけてしまうことがあります。
その場合、その方たちに何もなしというわけにはいきません。その分の返礼品やもてなしを準備することになるため、想定外の費用がかかることになります。
まとめ
葬儀はそう頻繁におこなうことではないため、かかる費用についてわからないことがたくさん出てくるでしょう。宗派によって、形式や準備するものは様々です。また、すべての葬儀社で追加費用がかかるわけではありません。まずはどのような規模で式を執り行うか、それに合ったプランはどれかをしっかり選びましょう。そして、プランに含まれている内容、含まれていない内容を把握することが大切です。希望通りの葬儀をおこなうには、どのようなオプションサービスとどれくらいの追加料金がかかるかを葬儀社とよく相談し、気持ちよく故人とのお別れができるようにしましょう。