
人生の最期を迎えるにあたり、後悔のない準備を進めるために終活を実施する方が増えています。家族に負担をかけないように事前に準備を整えておくことは、大切な人への思いやりにもつながります。この記事では、終活でやるべきことを分かりやすく解説し、準備のポイントもくわしく紹介しているので、ぜひ参考になさってください。
そもそも終活とは
終活とは、人生の最期に向けて、事前に準備を整える活動を指します。
具体的には、将来の医療や介護に関する希望を明確にし、財産や身の回りの整理を進めるほか、自分の葬儀やお墓について考えることなどです。
これらを事前に決めておくことで、万が一の際に家族や親族が迷うことなく対応できるため、残された人たちの負担を軽減できるのが大きなメリットです。
充実した人生を送る手段
終活は単に死への準備をするものではなく、自分らしく充実した人生を送るための大切な機会でもあります。
介護や葬儀、供養の方法などを自分の意志で早めに決めておくことで、将来への不安を減らし、より安心して日々を過ごせるようになります。
これからの時間をどのように過ごすかを改めて考えられるため、趣味に打ち込んだり、やり残したことに挑戦したりと、前向きに生きるためのきっかけにもなるのです。終活は、年齢を問わず、早めに取り組むことで今後の選択肢が広がるため、人生をより豊かにする一歩として始めてみるのもよいでしょう。
終活を始める前に知っておきたいポイント
終活を始める前に、あらかじめ知っておきたいポイントがあります。
何から手をつければよいのか分からず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
厳格な決まりはない
終活には、決められたルールがないことを理解しておきましょう。
「こうしなければならない」といった厳格な決まりはなく、自分に合った形で進めることが大切です。世間一般の終活のやることリストはたしかに参考になりますが、すべてを完璧にこなす必要はありません。自分のペースで無理なく取り組むことが、ストレスを感じずに続ける秘訣です。
また、終活を進める際には、家族や親しい人の意見を聞くことも大切です。とくに葬儀や供養に関しては、死後のことなので、自分だけで決めるのではなく、家族の意向も考慮することでトラブルを防げます。
体力が必要なものから手をつける
体力が必要な作業から始めるのも、ポイントのひとつです。
たとえば、お墓や介護施設の準備を進める場合、現地を訪れて比較検討することが多くなります。年齢を重ねると移動が負担になるため、できるだけ元気なうちに候補地を回るとよいでしょう。
また、家の片付けや不要な物の整理も、意外と体力を使う作業です。こうした作業は、時間をかけて少しずつ進めていくのが理想的です。
専門家の助言を受ける
終活をスムーズに進めるためには、専門家のサポートを受けるのも有効です。
相続や介護施設の手配、葬儀やお墓の準備などは専門的な知識が必要となるため、ひとりで判断するのがむずかしい場合もあります。弁護士や行政書士、葬儀社の担当者など、それぞれの分野の専門家に相談することで、手続きの負担を軽減できるでしょう。
終活においてやるべきこと
終活を進めるうえで、やるべきことは多岐にわたります。
ここでは、終活を円滑に進めるための重要なポイントを紹介します。自分にとって必要なものを取捨選択しながら、無理のないペースで進めていきましょう。
資産の確認・整理
自身の財産を把握することで、将来の生活設計がより具体的になります。
また、保険の見直しや相続の準備にもつながるため、どのように資産を管理・分配するかを考えておきましょう。その一環として、遺言書を作成するのも有効です。遺言書がない場合、家族間で遺産をめぐるトラブルが生じることもあります。
遺言書はエンディングノートとは異なり、法的な効力を持つため、資産分配を確実にしたい方には作成をおすすめします。また、自宅に不要なものが多いと、亡くなった後に家族が遺品整理で苦労する可能性があるため、自分である程度整理しましょう。
使っていない家電や衣類、大型家具などは早めに処分するのがおすすめです。判断力や体力が必要な作業でもあるため、元気なうちに少しずつ進めておくとよいでしょう。
エンディングノートを作成する
エンディングノートは、基本情報や家族構成、財産、葬儀に関する希望などを書き記したノートです。
市販のノートを利用するのも便利ですが、シンプルなノートに自分で項目を作成する方法でも問題ありません。大切なのは、残された家族が困らないように情報を整理し、分かりやすくまとめておくことです。
せっかく準備を進めても、家族が理解できなければ意味がありません。まとめた内容を家族と共有し、必要な情報が確実に伝わるようにしましょう。
葬儀・墓の準備
誰を葬儀に呼びたいのか、どのような形式で行いたいのかを明確にし、リスト化しておくことで、家族が迷わずに済みます。
生前に葬儀を予約できる制度もあるため、希望する葬儀の形が決まっている場合は活用を検討してみてください。また、お墓に関する考えをまとめておくことも大切です。
先祖代々の墓に入るのか、新しく墓を購入するのか、あるいは納骨堂や散骨を希望するのか、自分の意向を家族と話し合っておくとよいでしょう。
介護・医療に対する希望をまとめる
介護や医療に関する希望を家族に伝えておくことも重要です。
将来的に介護が必要になった場合、どこで過ごしたいか、どの病院を利用したいか、延命治療を希望するかなど、自分の意思を明確にしておくと、家族が判断に迷うことがなくなります。
関連して、緊急時の連絡先を家族と共有しておきましょう。かかりつけの病院や介護施設、親しい知人の連絡先などをまとめておけば、万が一の際にスムーズに対応できます。
まとめ
終活は、自分自身の人生を整理し、残される家族の負担を減らすために大切な活動です。身辺整理や資産の確認、遺言書の作成、葬儀やお墓の準備など、やるべきことは多岐にわたります。また、エンディングノートを活用し、介護や医療に関する希望を明確にしておくことで、万が一の際にも安心です。終活は一度に終わらせるものではなく、少しずつ進めていくことが大切です。途中で悩んだら、専門家に相談することも考えるとよいでしょう。