
通夜の日程は、故人の逝去後に決める必要がありますが、具体的にどのような基準で決まるのか、疑問に思う方も多いでしょう。日程を決める際には、火葬場や葬儀場の空き状況、参列者の都合、仏教の友引などの影響も考慮する必要があるので、注意が必要です。この記事では、通夜の日程を決める際の基本ルールや調整のポイントを解説します。
一般的な通夜の日程の決め方
通夜は、故人が亡くなった翌日に執り行われるのが一般的ですが、必ずしも厳密な決まりはありません。
故人が亡くなった当日に仮通夜を行い、その翌日に本通夜を行うケースが考えられますが、仮通夜を行わず、亡くなった翌日の夜に本通夜のみを執り行うこともあります。そして、本通夜の翌日には、葬儀・告別式、火葬を行うのが一般的なスケジュールです。
まず火葬場を予約する
しかし、こうした日程はあくまで理想的なスケジュールであり、実際には火葬場や斎場の予約状況、親族や関係者の都合などによって、日程がずれ込むこともめずらしくありません。
そのため、日程を決める際には、まず火葬場の予約状況を確認し、できるだけ早く押さえることが重要です。
友引を考慮する
友引は、故人が友を道連れにするという意味があるとされ、一部の地域では避けられる傾向にあります。
そのため、友引の日を休館日としている火葬場もあるので注意しましょう。とくに、親族や参列者の中に気にする方がいる場合は、配慮して日程を調整するとよいでしょう。
通夜以外の時間も考慮する
通夜の開始時間は、通常18〜19時頃に設定され、21時頃には終了することが多いです。
通夜そのものの所要時間は約1時間ですが、終了後には「通夜振る舞い」と呼ばれる食事の席が設けられることもあります。参列者へのおもてなしの場であり、1〜2時間程度続くのが一般的です。ただし、地域や宗派によって異なり、通夜振る舞いを省略することもあります。
一般的な通夜全体のスケジュール・流れ
ここでは、一般的な通夜の流れとスケジュールの目安について解説します。
受付
通夜の開式約1時間前から、弔問客の受付が始まります。
弔問客が到着し始めると、受付で記帳を依頼し、香典を受け取ります。また、通夜振る舞いの最終的な人数調整は、このタイミングで実施するとよいでしょう。
開式
開式の15〜20分前には、遺族や親族が着席します。
開式の5分ほど前には、読経を担当する僧侶が入場し、開式の辞の後で読経が始まります。
焼香と法話
通常、喪主から順番に焼香し、続いて親族、一般の弔問客が焼香します。
焼香が終わると、僧侶が法話を述べることが多いです。
僧侶の退場と閉式
法話が終わると、僧侶は退場し、司会者が閉式の辞を述べます。
この際、通夜振る舞いの案内を実施します。もし通夜振る舞いを実施しない場合は、この時点で通夜が終了です。
通夜振る舞い
弔問に訪れた方々をもてなし、故人を偲ぶ場です。
所要時間は1〜2時間程度で、地域の習慣によっては、簡単な軽食や飲み物を提供する場合もあります。
散会と翌日の準備
通夜振る舞いが終わると、喪主が参列者に感謝の意を伝え、参列者は帰宅します。
その後、喪主や親族は葬儀担当者と翌日の葬儀や告別式について打ち合わせ、準備を整えます。
通夜の前に準備しておくべきこと
通夜を滞りなく進めるためには、事前の準備が欠かせません。
ここでは、通夜前に行うべき主な準備について詳しく説明します。
日程調整
仏式の通夜や葬儀を行う場合、読経を依頼する僧侶のスケジュールを事前に確保することが重要です。
もし希望する僧侶の予定が合わない場合、同じ宗派の僧侶を紹介してもらえることもあるため、早めに相談するとよいでしょう。菩提寺がある場合や、すでに墓地を所有している場合には、納骨予定の寺院に連絡を入れるのが基本です。
喪主と世話役の決定
通夜や葬儀を取り仕切る喪主は、故人の配偶者や長男・長女が務めるのが一般的です。
もしこのとき適任者がいない場合は、親族の中で故人と血縁関係の深い人が喪主を務めます。喪主の負担を軽減するため、複数人で役割を分担するケースもあります。また、通夜や葬儀では弔問客の対応や進行管理など多くの業務が発生するため、遺族のサポート役となる世話役を決めておくと安心です。
関係者への通夜・葬儀の連絡
通夜や葬儀の日程が決まったら、親族や友人、勤務先など関係者へ速やかに連絡を入れます。
遠方から参列する人がいる場合、宿泊場所の手配や、近隣のホテルの案内も必要になるでしょう。宿泊費は、基本的に弔問者の自己負担となるため、負担の少ない宿泊先を紹介することが望ましいです。
通夜振る舞いの準備
通夜の後には、弔問客に食事を振る舞う、通夜振る舞いを実施することが一般的です。
多くの葬儀社では、通夜振る舞いの料理をセットにしたプランを提供しているため、葬儀の打ち合わせ時に有無を確認するとよいでしょう。
まとめ
通夜の日程は、故人が亡くなった翌日に実施するのが一般的ですが、火葬場や葬儀場の予約状況、僧侶の都合、参列者のスケジュールなどによって後ろ倒しになることもあります。とくに火葬場は早めに予約しないと、希望する日に火葬できない可能性があるため、迅速な対応が求められます。また、友引を気にする方もいるため、親族と相談のうえ決定するとよいでしょう。通夜の日程を決める際は、できるだけ多くの関係者が参列しやすい日を選び、故人を悼む場にできることが何よりも重要です。