葬儀はいつか必ず迎えるものですが、いざというときは慌ただしく準備を進めなければならず、思うように対応できないこともあります。だからこそ、生前から少しずつ備えておくことが大切です。本記事では、葬儀の基本的な準備ポイントや費用の考え方、生前に準備しておくことで得られるメリットについて紹介します。
生前に備える葬儀準備のポイント
いざというときに慌てないためには、生前から少しずつ葬儀の準備をしておくことが大切です。ここでは、葬儀を迎える前に考えておきたい基本的なポイントを紹介します。
希望する葬儀の形を考えておく
まずは、どのような形式の葬儀にしたいかを考えておきましょう。一般的な葬儀にするのか、家族や親しい人だけで行う家族葬にするのかによって、準備内容が大きく変わります。あわせて宗教や宗派も確認しておくと安心です。菩提寺がある場合は、あらかじめ相談しておきましょう。
会場や参列者の範囲を決めておく
葬儀の規模や場所、誰を呼ぶのかも重要な検討項目です。会場を自宅や斎場、寺院などどこにするか、また参列してほしい人の範囲を考えておくと、当日の進行がスムーズになります。葬儀にかかる費用の目安も知っておくとよいでしょう。想定しておくことで、無理のない形で希望に沿った葬儀を実現できます。
遺影写真を準備しておく
葬儀で使う遺影は、故人の印象を左右する大切な写真です。笑顔で写っている写真を選んでおくと、温かみのある雰囲気になります。なお、あらかじめ自分で遺影用の写真を撮影しておくのもおすすめです。背景や服装、表情なども自分で選べるため、納得のいく一枚を残せます。
供養や納骨の方法を考えておく
葬儀後の納骨先も、生前に考えておくと安心です。お墓に納めるのか、納骨堂や樹木葬などを選ぶのかによって費用や手続きが異なります。最近では、お墓をもたない永代供養や手元供養を選ぶ人も増えています。家族構成や将来の維持管理のことも考慮し、自分の意思をきちんと伝えておきましょう。
生前に確認したい葬儀費用の準備方法
葬儀の内容だけでなく、費用の準備も生前に考えておくことが大切です。ここでは、葬儀費用をどのように保管・契約しておくと安心か、その代表的な方法を紹介します。
口座凍結に備えて資金を分けておく
銀行や信用金庫に預金として保管するのは一般的ですが、亡くなったあとは名義人の口座が一時的に凍結され、引き出しができなくなります。そのため、葬儀費用にあたる分を別口座に移しておくか、家族が使える形で用意しておくと安心です。信頼できる家族に事情を伝えておくことで、急な支払いにもスムーズに対応できます。
葬儀社との生前契約で費用を明確に
近年は、生前に葬儀社と契約を結ぶ生前契約も増えています。契約時に内容や費用を確認できるため、希望に沿った葬儀を実現しやすいのが特徴です。また、費用の支払い方法をあらかじめ決めておけるため、遺族の金銭的な負担も軽減できます。複数の葬儀社を比較して、信頼できる会社と契約しておくことが大切です。
生前に葬儀を準備しておくメリットとは
いざというときに慌てないためには、元気なうちから葬儀について考えておくことが大切です。ここでは、生前に準備を進めておくことで得られる主なメリットをわかりやすく紹介します。
自分の思いを形にできる
生前に葬儀の準備をしておく最大のメリットは、自分の希望を反映できる点です。一般葬や家族葬などの形式、式場の場所、使用する花や音楽など、細かい部分まで自分の意向を伝えておくことで、理想に近い形で葬儀を行えます。
また、事前に家族と話し合っておくことで、あとに「どうしてほしかったのか分からない」という迷いを防ぐことが可能です。自分らしい最後を迎えるためにも、準備を進めておくことは大きな意味があります。
家族の精神的な負担を減らせる
葬儀は限られた時間の中で多くのことを決める必要があります。形式や費用、参列者の範囲などを短期間で判断しなければならず、遺族にとって大きな負担となることも少なくありません。生前に内容を決めておけば、家族は当日の対応に集中でき、気持ちの整理をつける時間をもてます。
また、費用の準備ができていれば、金銭面の不安も軽減されます。残される家族への思いやりとしても、生前準備は有効です。
費用を抑えた葬儀を実現できる
あらかじめ自分の葬儀について細かく決めておくことで、費用を抑えることにもつながります。葬儀の準備を遺族が急いで行う場合、複数の葬儀社を比較したり、見積もりを検討したりする時間がありません。その結果、提示された金額のまま契約してしまい、想定より高くなるケースもあります。
生前に時間をかけて葬儀社を選び、必要な部分だけを整理しておけば、無駄な出費を防ぐことができます。経済的な負担を減らすためにも、生前に準備しておくことが重要です。
まとめ
生前に葬儀の準備をしておくことは、決して縁起の悪いことではなく、家族への思いやりでもあります。どのような葬儀にしたいのか、費用をどう確保するのかをあらかじめ考えておくことで、いざというときの混乱を防ぐことが可能です。また、自分の希望を反映できるだけでなく、遺族の精神的・金銭的な負担を軽くすることにもつながります。後悔のないお別れのためにも、早めに準備を始めましょう。
